せっかく出願したのに特許にならないのでは、モチベーションが下がってしまいますよね。

取りたい特許を確実に取っていくためには、コツがあります。以下でご説明しますので、ぜひこのコツを知って、次の特許出願に向かって頂きたいと思います。

コツの考え方は、いたって簡単です。発明だけでなく、発明を裏付ける「技術」を特許出願用の明細書に書いておけばいいのです。盗用されたのでもない限り、審査で引用された発明と本願発明とが完全に一致することは、普通ありません。ですから、進歩性を理由とする拒絶理由が通知されたとしても、発明の構成をうまく限定していくことができれば、取りたい範囲で特許を取ることができる場合が多いのです。そして、うまく限定していけるようにするためには、発明だけでなく、発明を裏付ける「技術」を最初から明細書に書いておけばいいのです。

難しいのは、発明を裏付ける技術を、実際に明細書に書くことです。これが難しい理由は、3つあります。

1つ目は、明細書作成担当者に技術的知見が必要になることです。特許事務所が特許出願を依頼された場合、まず初めに発明面談を行い、発明者から発明の内容を聞き出しますが、限られた時間の中ですべての技術を聞き出すことは不可能ですし、技術の仕様書をそのまま添付すればいいというものでもありません(仕様書の記載は、特許の権利化という観点からは、全く不足していることがほとんどです)。ですから、明細書作成担当者が適宜補完しながら明細書を書いていく必要があるのですが、技術的知見が足りないと、この補完が不十分になってしまうのです。

2つ目は、特許事務所を経営する必要があることです。特許事務所が効率的に儲けるためには、1つ1つの明細書をできるだけ短時間で仕上げる必要があります。それには、上述した補完などはせず、発明者が言ったことだけを書いておけばいいのですが、発明者は特許の専門家ではありませんから、そのようなやり方をしていては、発明を裏付ける技術を適切に明細書に書くことなどできるはずもありません。

3つ目は、大企業の出願では、発明を裏付ける「技術」をしっかり書いた明細書が必ずしも喜ばれないことです。大量に出願する大企業では、1件1件をいかに素早くこなすかも重要な要素です。ですから、発明者が言っていないようなことまで細かく書いた明細書より、発明者が言ったことだけをシンプルにまとめた明細書を喜ぶ知財担当者もいるのです。料金設定が、シンプルな明細書を前提としたもの(つまり、とても安い料金)になっている場合もあります。発明者が多数の特許出願を経験している場合には、発明者の言うことだけを書いているだけでも、それなりの明細書になるという事情もあります。そういう大企業の仕事ばかりを担当していると、シンプルにまとめるという書き方が染みついてしまい、たまに中小企業の出願をする機会があっても、同じような書き方しかできなくなってしまうのです。

ですから、中小企業・スタートアップが特許出願をする際には、出願しようとする技術分野に関する知見を有し、さらに、発明が大好きで、これまでもこだわりをもって明細書を作成してきた、という弁理士を選ぶことが大事です。それが、取りたい特許を確実に取るための近道です。次回特許出願をする際には、ぜひそのような弁理士とともに歩んで頂ければと思います。

弊所は、発明の裏付けとなる技術を明細書にキッチリ書くことで定評を頂いています。ご興味があれば、こちらから特許庁のデータベースJ-PlatPatにアクセスし、弊所担当案件の内容を一度ご覧になってください。文献種別で「国内文献」のみを指定し、1つ目の検索項目に「代理人」、1つ目のキーワードに「100130982 110004277」(「100130982」と「110004277」の間に半角スペースです)を設定し、検索オプションの日付指定で「出願日」の始期に「20180801」を指定して検索することにより、弊所弁理士が担当した特許出願のうち公開済みのものを確認することができます。特許というのは出願ごとに様々な事情がありますから、関係者でない方が読んでもよく分からないかもしれませんが、弊所の仕事の一端はご覧頂けるのではないかと思います。

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